どこにも行けない

結局どこにも行けない

岐阜市の柳ヶ瀬商店街あたりにいた

一時期、岐阜市柳ヶ瀬商店街あたりに住んでいた。

4階の角部屋から見えるのはスナックに通う大人たちが乗り合わせてきた車を停めるコインパーキングと小洒落た一軒家とよくわからないせいぜい5階までしかないようなビルだった。

 

柳ヶ瀬商店街は比較的早い時間にお店が閉まる。だいたい19時には暗くなるような商店街で、岐阜高島屋柳ヶ瀬商店街の中にあったし、小さな古い映画館、和菓子屋、飲み屋、古着屋があり、休日に過ごすには十分だった。結局休日を満足に過ごすことはなかったけど。

柳ヶ瀬商店街はサンデービルヂングマーケットや柳ヶ瀬夜イチなど新しい風を取り入れようとしていて、とても好きだった。もちろん昔からやっているような喫茶店も雑貨屋も古本屋もあった。

柳ヶ瀬商店街にあるloopという古着屋が好きで、時間があればそこに行っていた。そこはスケーター御用達のようなお店で、店主もスケーターで一見いかつい感じなのに、物腰も話し声も柔らかな素敵な人だった。確かloopでは帽子を買った気がする。そのお店の影響なのかどうかは知らないけれど、夜になって道路に車が走らないような誰もが眠っている時間になるとスケボーをしている音がよく聞こえた。早朝からスケボーをしている音も聞こえていて、なんとなくそれが好きだった。

 

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柳ヶ瀬商店街から少し離れたところに金公園があって、その公園の近くの夜遅くまでやっているカフェ&バーalffoにはいつもDJがいたし、たまにライブをしていた。そこに行くと若い馴染みの人たちが楽しそうにワイワイお酒を飲んでいて、部外者である疎外感と楽しそうな雰囲気への羨ましさと大人になるのも悪くないな、というよくわからない思いを持って眺めていた。きっとみんな若い頃から岐阜に住み、岐阜を愛して、岐阜の中で好きなように生きているんだな、なんて考えていた。岐阜の人はみんな岐阜が好きなイメージがある。

公園にあるブランコに乗りながら、バスケをしている人やスケボーをしている人をPOPメロンソーダを飲みながらよく見てた。みんな夜にワラワラ集まってバスケやスケボーをしていて、キラキラしていた。

週末にはeatという古着屋が0時くらいまで営業していて、あの公園近くは若い人たちの生きている今があった。

その今と昔がうまく混ざり合って反発しあうことなくあるのが好きだった、同時に自分がここで育っていればな、と思っていた。