どこにも行けない

結局どこにも行けない

11/11

銃社会だったら頭ブチ抜いてるなって感じで月曜が始まった。

 

わーっとなっている人を目の前にするとだんだん冷静になっていく。不思議なものだ。久しぶりの残業が発生した。

帰り道、ローソンに寄ってバスチーを買う。ローソンのバスチーを先週末に初めて買い、食べたらまあ美味しくて、手軽に買えるなんて有難いことよねと思い月曜も買って食べる。帰り道にあるカフェのどっしりとしたチーズケーキも美味しいが、たまにはコンビニなどの軽く買えるチーズケーキを食べたくもなる。

 

帰り道、自分の高校の制服がどんなものだったのか、ノーカラーだったとかブラウスが丸襟だったとかブラウスに校章の刺繍が入っていたとか、そういうことがぼんやりとしか思い出せない。ノーカラーだったかなあ。ブラウスは丸襟だった。ブラウスに刺繍は入っていたけれど、あれは校章だっただろうか。細かなことはどんどん隙間から溢れ落ちていく。好きだった人のことも、仲の良かった友達の声も、忘れていく。寂しいという感じではなく、ただただ忘れてしまったということだけがある。今のことも忘れられるのならそれがいい。歯を食いしばってばかり毎日なんて忘れられたほうがいい。

学校に行きたくなかった小学生の頃、日曜の夜に家族で楽しくご飯を食べてケーキを食べた時のことを今でも思い出す。それはこの時間がずっと続けばいいのに、とはっきりと思ったからだ。いい思い出なのかどうかはわからないが、はっきりと覚えている。あの気持ちがまさかこんなにも長く自分の中に留まるだなんて思わなかった。どうしても、どうしても朝を遠ざけたくて夜眠ることがなかなかできなかった。あの楽しさを忘れられないのと同じように、時間が進んで日常を受け入れたくない自分がずっといる。楽しいことだけをなんとか残したい。楽しいことだけを。フラッシュバックする嫌な思い出をすべて隙間から落として、楽しかったことだけをすんなり思い出せるようにしたい。どうしたらそうなれるだろう?

楽しかったこと、楽しかったこと、楽しかったこと。すんなり思い出せないのは、きっと疲れているからだ。