どこにも行けない

結局どこにも行けない

10/1

「良い人っていうのはどうでもいい人ってことでしょ」だなんて、何度も何度もそれらしく聞こえさせるために使われ続けた、もしくはそれらしく聞こえさせるために用意されたようなそのセリフで、私はその人ともう遊ぶことはないだろうなとハッキリと感じた。

そんなちゃちなセリフ言われて、あー結局そういう理解しかされないのかと。私の話したこともそれくらいの響きしか持っていないんだ。何かを伝えたいのに、どこから話せばいいのかわからない。そもそもこんなこと話したところで相手は興味なんてないんじゃないかと思い、話すのをやめる。相手のためを思ってなんて、とんでもないエゴをぶつけるようで恥ずかしいと思う。そういえば、このエゴという単語を使うのがひどく恥ずかしい、自己肯定感とか承認欲求とかも、恥ずかしいなと思う。そういうことを気にしているんだと人に気付かれるのが、思われるのが、私は恥ずかしい。

 

人に対して持っている優しさは、目に見える、たとえばツイッターでカジュアルな死にたいを連発する人への「大丈夫?」とリプライする程度のものだとしても、一定の人から優しい人だと認定されればそれは優しい人なのだろうか?

簡単にポーズをとって、優しいと思われる行動をとること、涙を見せること、それはただ自分をドラマチックに見せたいだけなのではないか。優しさはどこにあるんだろう。

優しさがほしい。他人に優しくしたい。できるだけ、本当の意味で。